サンデル教授「思い上がりを生む能力主義」と安い労働力

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高津祐典
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【前編】サンデル教授「能力主義」に警鐘 反論ぶつけた学生は

能力主義は人のやる気を引き出すのでは?」。サンデル教授の主張に真っ向から反論した学生にかけた言葉とは--。記事前編はこちらをクリック。

 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授(68)は「学歴偏重主義は容認されている最後の偏見なのだ」と考え、著書「実力も運のうち」(早川書房)で能力主義の課題を指摘している。

 東大院を修了し、昨年からITコンサルタントとして働いている西田裕信さん(25)はサンデル教授に問いかけた。

拡大する写真・図版マイケル・サンデル教授と対話した若者たち

 「私は毎日の生活に楽しみを見つけたい、自分の居場所を楽しみたいと思っていますが、考え方を変えるのはとても難しい。知らず知らず、上昇志向に毒されているからです。いろいろなことを好きになり、楽しむことを忘れないために、どうしたらいいですか」

 サンデル教授は、能力主義による社会の分断をどう乗り越えていけば良いのかを西田さんと考えていった。

 サンデル それは重要な質問ですね。あなたの言うとおり、私たちの考え方を変えて、日常生活の中で歌を歌ったり、仕事をしたり、教えたり学んだりできるようにするのは簡単なことではありません。

 私が問いかけようとしているのは、もし私たちの社会がますます能力主義的な競争に圧迫されるようになったら、どのようにして日常生活における喜びの感覚と仕事の尊厳を取り戻すことができるのか、ということです。西田さんは仕事を始めてからどのくらいですか?

 西田 半年です。

 サンデル ITコンサルティングの仕事をするようになったのは、どのような動機からですか。そしてどのようにしてこの仕事を勝ち取ったのでしょうか。

「日本では、一流大学に入ろうと、高校生は苦しみ、もがいています」。記事後半では、サンデル教授と若者たちが日米の教育の違いや、移民や女性差別と能力主義の関係を考えていきます。

 西田 同じような仕事をして…

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