桃太郎の家来、実は国鳥 親しみ、美しさ、うまさが理由

石倉徹也
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 国の象徴である国鳥は、学名が「ニッポニア・ニッポン」のトキと思われがちだが、キジだ。桃太郎のお供として童話などで親しまれ、河原や畑といった人里で一年中見られる。羽色も美しい。「キジも鳴かずば撃たれまい」と言われるように狩猟の対象で肉もうまい。山火事が迫っても卵を守るほど母性本能が強いことでも知られる。こうした点が重視され、1947年に日本鳥学会でヤマドリ、ハト、ヒバリなどの他の候補を抑え、国鳥に選ばれた。

 おとなしい性格だが、繁殖期の春はうってかわる。千葉県我孫子市鳥の博物館、小田谷嘉弥(よしや)・学芸員(31)によると、縄張りを守るため、オス同士が足の蹴爪(けづめ)で闘うこともある。激しく羽ばたいてブルブルと音をたてる「母衣(ほろ)打ち」も、この時期だけだ。

 千葉市の牧野和夫さん(67)が住宅街にある小さな野原で撮影した時も、母衣打ちのタイミングだった。メスへのアピールなのか、切り株の上に立ったオスの「ケーン、ケーン」という甲高い鳴き声が響いていたそうだ。

 ちなみに米国の国鳥は、国章や1ドル札にも描かれているハクトウワシ。独立宣言後の1782年、世界で最初に制定された国鳥とされる。他にも、ニュージーランドの飛べない鳥キーウィ、グアテマラの幻の鳥ケツァール、ロビンの愛称で親しまれる英国のヨーロッパコマドリなど、多種多様な鳥が定められている。石倉徹也