中国前首相の母悼む文章、なぜか閲覧制限 臆測呼ぶ

北京=高田正幸
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 中国の温家宝(ウェンチアパオ)前首相がマカオ紙に寄稿した、亡き母親を悼む文章が、中国のSNSで閲覧や転載が制限されている。文章には文化大革命時代を振り返ったり、「中国は公平、正義に満ちた国家であるべきだ」と訴えたりする内容があり、意図をめぐって様々な臆測を呼んでいる。

 文章は3~4月、「マカオ導報」が4回に分けて掲載。文化大革命について、教師だった父親が「しょっちゅう野蛮な尋問やののしりを受けた」と振り返っており、文章の締めくくりでは「私は貧者や弱者に同情し、侮蔑や抑圧に反対する」と強調。理想の国家像として「思いやりや人道、人間の本質に対する尊重と青春や自由、奮闘の気質があるべきだ」と記した。

 中国メディア関係者によると、寄稿は中国のSNSで「習指導部への批判ではないか」などと話題になったが、関連する投稿はすぐに転送できなくなったり、削除されたりしたという。香港紙「星島日報」はSNSの制限について「(共産党の)暗い部分を暴露する内容で、建党100年を祝う政治の雰囲気と一致していない」と分析した。

 温氏は胡錦濤(フーチンタオ)前指導部で首相を務めた。1989年の民主化運動で失脚した趙紫陽元総書記のもとで秘書役の党中央弁公庁主任を務め、一緒に天安門広場を占拠した学生を見舞ったこともある。(北京=高田正幸)