デビッド・ボウイと京都 鋤田正義が写したスターの素顔

富岡万葉
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 40年前の春、古都を歩くロック歌手デビッド・ボウイをとらえた写真展「時間~TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA 鋤田(すきた)正義写真展」が、京都市下京区の美術館「えき」KYOTOで開かれている。親交のあった写真家・鋤田正義が、思い出をたどるように撮り下ろした現在の京都も展示される。

 商店街で450円の草履を真剣に選ぶ。阪急電車の切符を買い、宿では浴衣でくつろぐ――。1980年3月29日に撮影された36点からは、ボウイが小旅行を楽しむ様子が伝わってくる。自らレンタカーを運転し、観光地ではない場所を巡ったという。ロックスターは、ただの人でいる一日の自由を喜んだのだろう。くつろぐ笑顔が印象的だ。

 鋤田はボウイと72年にロンドンで出会い、アルバムジャケットを手がけるなど40年以上交流が続いた。今年83歳を迎える写真家は、大切な記憶を掘り起こすために、2019、20年と当時と同じ場所を訪れた。

 いまでは商店街にシャッターが下り、ボウイが談笑した画材屋の店主は代替わりしたが、ボウイが立った狭い路地は、同じ景色に見える。100点あまりの写真は変化したものと残っているものを示し、ゆかりの地に流れた時間を浮かび上がらせた。

 5月5日まで。無休。(富岡万葉)