神戸1万人アリーナ計画、プロバスケクラブの夢かなう?

岡田健
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 【兵庫】神戸市の海沿いに計画されている1万人規模のアリーナが、地方プロスポーツクラブの飛躍のカギを握っている。集客を増やして事業基盤を強固にし、大きな夢をかなえたい――。ただ、難題も立ちはだかる。

 県内唯一のプロバスケットボールBリーグのチームで、2部(B2)の西地区で首位に立つ「西宮ストークス」。プレーオフを勝ち抜いてファイナルに進み、B1(1部)クラブライセンスが認められれば、4季ぶりにB1に復帰できる。

 ところが、今のままでは戻れない。本拠の西宮市立中央体育館の入場可能数は、ライセンス交付基準を下回る3千人。2017年のB1初昇格時には、5千人収容に建て替える計画を前提に交付されたが、「将来のリーグ参入条件」として19年に新たに発表された「チームと試合会場の一体経営」の達成が担保されないなど、基準を満たすアリーナを確保することが難しくなっていた。

 そこで、クラブは24年に神戸市に完成する新アリーナに本拠を移すと3月に発表した。4月28日にあるライセンス審査で、新アリーナを本拠にすることが認められれば、B1ライセンスを交付される見通しだ。

一体経営の体制整う

 事業者が7日に発表した計画によると、新アリーナは神戸港の「新港第2突堤」と呼ばれる場所に建設される。延べ約2万5300平方メートルの地上5階建てで、スポーツ、音楽ライブ、国際会議などに利用される。スポーツイベントは8千人、音楽ライブでは1万人の収容を想定している。

 開発事業は、NTT都市開発やシステム開発のスマートバリューなどのグループが担う予定。イベントが開催できるオープンスペースや、飲食店舗、テラスもアリーナに併設される計画だ。久元喜造・神戸市長は「市民の生き生きとした交流の場になってほしい」と期待を語った。

 スマートバリューは3月に、クラブの運営会社「ストークス」を子会社化。アリーナの運営会社もグループ内に設立し、クラブとアリーナを一体経営する仕組みを作った。B1復帰で集客力を高めてスポンサーを増やし、アリーナ運営で収益をあげて事業の拡大を図る考えだ。潤沢な資金を背景に「日本一、アジアナンバーワン」という夢を実現する青写真を描く。

大改革がハードルに

 ただ、夢の前には高いハードルも控える。Bリーグが26年に予定している改革だ。B1、B2というカテゴリー分けが、試合成績ではなく事業の評価でされることになる見込みだ。

 「新B1」に入る基準として、売り上げ12億円、1試合平均入場者数4千人の条件達成が想定されている。ストークスの営業収入は、新型コロナウイルスの影響を受けなかった18年度で約3・1億円。19年度の1試合平均入場者数は1588人だった。クラブの渡瀬吾郎社長は会見で、「財務やガバナンスをしっかりやらないと、新アリーナの観客席を埋められない」と、改革後のB1入りを見据えて気を引き締めた。岡田健