核廃絶へ署名活動 24代目の高校生平和大使公募

平田瑛美
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 核兵器廃絶と世界平和の実現をめざす「高校生1万人署名活動」で、奈良県の活動団体が今年度の中心となる24代目の「高校生平和大使」を募集している。昨年度の活動メンバーで奈良高校3年の上村(じょうむら)茉奈さん(17)は「二度と戦争が起きない将来へ、同世代に被爆者の思いをつないでほしい」と次期大使に期待を込める。

 「高校生1万人署名を支援する奈良県連絡会」が毎年、大使1人を公募で選んでいる。大使は毎年8月、集めた署名を県外の大使たちとスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届ける。県内では大使のほかに、8月に長崎である平和祈念式典に参加する「長崎派遣団」にも数人が選ばれ、大使とともに署名活動の中心メンバーを担う。

 上村さんは昨年度の長崎派遣団に選ばれた。小学6年生の修学旅行で訪れた広島で被爆ピアノに触れて以来、ピアノを弾くたびに「好きなことができるのは平和だから」と思い返すようになった。テレビで見た8月6日の記念式典で、広島で署名活動をする高校生たちに憧れ、参加した。

 だが、コロナ禍の影響で街頭での署名活動、長崎への派遣などすべての活動が中止になった。「知って発信するだけでも平和の輪は広げられる」。ほかのメンバーらと話し合い、昨年11月に長崎を訪れた。

 現地では、幼少期に被爆して家族も失った男性から「戦争ほど命を粗末にするものはない」と訴えかけられた。「一人ひとりにあった大切な人、大切な日常が一瞬で奪われた」と感じて、胸が詰まった。

 活動を続けるうちに「知って終わりでなく、どう伝えたら同世代が動くきっかけになれるか」と考えるようになった。上村さんは高校での集会で長崎で見聞きしたことを自分の意見を含めずに伝えた。「私の感じたことでなく、一人ひとりに何かを感じてもらいたかった」。4月末に署名活動や派遣団としての1年間の任期を終える。大学進学後も平和の輪を広げる活動を続けたい、と思っている。(平田瑛美)

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 高校生平和大使は県内の高校在学者と県内在住の高校生が対象。住所氏名、電話番号、生年月日、学校名、学年を明記し、「高校生1万人署名を支援する奈良県連絡会」の「高校生平和大使募集係」(〒630・8133 奈良市大安寺5の12の16 奈良地域労働文化センター3階)に郵送(はがき可)で申し込む。4月25日必着。5月9日午前9時半から橿原市内膳町1丁目の「ミグランス橿原市役所分庁舎」で、作文などの選考会を開く予定。問い合わせは同連絡会(0742・64・1010)へ。