新型コロナ 増える自宅待機者 病床や宿泊療養施設逼迫

新型コロナウイルス

上田真美、平田瑛美
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 新型コロナウイルスの感染者が急増している奈良県内で、入院や宿泊療養施設への入所がすぐにできない患者が増えている。県は感染者の自宅療養を認めておらず、入院や入所の待機者数が病床や施設の空き室の総数を超える厳しい状況が4月以降続いている。

 県内の入院・入所待機者は4月1日時点で、16人だった。だが、8日に200人を超え、20日午前9時時点では424人に達した。

 これに対し空き病床は109床、一部の軽症者や無症状者を受け入れる宿泊療養施設の空き部屋は88室にとどまっている。病床使用率は72%、宿泊療養施設使用率は65%。無症状も含めた患者に対する入院者数の割合を示す入院率は31%となっている。

 荒井正吾知事は7日の記者会見で、すべての感染者に入院や入所をしてもらう県の方針を「堅持したい」と述べている。病床逼迫(ひっぱく)を受けて県は15日、強制力を伴う改正感染症法に基づき、県内の75病院に病床確保の協力要請を出した。20日までに病床数は8床増えた。宿泊療養施設については、今週中に新たに約170室を確保するとしている。

 だが、現状では病床などは不足している。

 検査で陽性と判明した患者には、保健所が症状を聞き取り、入院先や入所先の調整をしている。県によると、4月5日時点で、最長5日待機させられた患者もいるという。直近のデータはまだ公表されていないが、県疾病対策課は「待機日数は月初より長くなっていると思われる」と話す。

 症状の重い人を優先して調整しているが、待機中に悪化し、救急搬送されるケースもあるという。県では入院調整にかかる職員を14日に3人増やし8人にした。

 各自治体も支援に動いている。奈良市は13日に、保健師ら3人による自宅待機者支援チームを発足させた。健康確認や相談に応じるほか、重症化の目安となる血中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」100個を貸し出す。生駒市も電話相談窓口を設置し、家庭内感染を防ぐためにガウンなどの提供を始めた。

 入退院の調整を担当する県地域医療連携課の大西勝治課長は「感染者が増えていることで、病床も課題の一つになり、県内の病院に協力を要請しているところだ。入退院などの調整も精いっぱいやっており、待機者を減らしたい」と話した。(上田真美、平田瑛美)

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 奈良市は20日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、市独自の「緊急警戒警報」を発令した。

 期間は5月5日まで。クラスター(感染者集団)の発生の予防策を強化するため、市内の約180カ所の福祉施設の実地調査や緊急啓発を実施する。家族などの面会自粛も要請する。また、発生時に備え、対応チームも設置する。

 仲川げん市長は会議後の記者会見で、大阪府緊急事態宣言の要請を決めたことを受け、「近隣で往来の関係性が深い自治体で発出される状況になれば、奈良がまん延防止等重点措置(重点措置)すらやっていないという状況では、許されないだろうと思う」と述べ、改めて県が重点措置適用を国に要請するよう求めた。

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 奈良県奈良市は20日、新たに80人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の感染者は延べ5156人。これまでに感染していたいずれも奈良市の80代女性と70代男性の死亡が確認され、県内の死者は63人になった。

 感染者の内訳は、奈良市25人▽生駒市天理市各8人▽橿原市7人▽大和高田市6人▽香芝市4人▽田原本町、桜井市三郷町大和郡山市各3人▽広陵町、河合町各2人▽大淀町、三宅町、高取町王寺町御所市平群町各1人。

 クラスター(感染者集団)が発生した服部記念病院(上牧町)で新たに患者5人の感染が判明し、病院関係者の感染は計29人になった。

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