ミャンマーデモ「孤立してない」 学生募金に共感広がる

武田肇
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 クーデターへの抗議を続けるミャンマーの人々を支えたいと、関西の大学生が募金活動に取り組んでいる。現地の状況は悪化する一方だが、「微力でも、私たちにできることがある」という呼びかけに共感の輪が少しずつ広がっている。

 「ミャンマーでは日々多くの市民が国軍に命を奪われています」「日本を含む国際社会の関心と支援が必要です」――。

 大阪・キタで今月11日、同志社大4年の宮地葵(みやちあおい)さん(22)がヘッドマイク越しに語りかけると、カップルが歩みを止めた。やや距離を置いて立つ仲間は、抵抗を示す3本指のイラストを描いたプラカードを胸に掲げた。募金箱に千円札が次々と入れられていった。

 宮地さんは同志社大と立命館大の難民支援サークルが共同で立ち上げた「ミャンマー(ビルマ)の民主化を支援する関西学生ネットワーク」の代表。国軍による弾圧が激しさを増した3月中旬から募金活動を始めた。募金はNGO「日本ビルマ救援センター」(大阪市)を通じ、ミャンマー国内で職場を放棄して抗議の意思を示す「不服従運動」に参加して給料を受け取れなくなった公務員の生活資金に充てられる。

 SNSでも募っているが、毎週日曜の午後、新型コロナウイルス感染防止策をとりながら京都市大阪市の繁華街に立つ。「日本社会の関心を持続させ、ミャンマーの人々に『孤立していない』と励ますためにはリアルの場で訴えることが必要」との考えからだ。

 宮地さんは2019年夏、ミャンマーで続く国軍と少数民族の内戦の影響でタイに逃れた子どもらが学ぶ移民学校で約3週間、ボランティア活動をした。現地の学校で働く同世代のミャンマー出身の教員らと親しくなり、困難があっても民主化に向けて歩んでいると実感した。卒論のテーマは「ミャンマーの民主主義の発展」。それだけにクーデターは「ショック以外何ものでもなかった」。

 活動を始めたのは、オンラインで開かれた勉強会で、ミャンマーに長期滞在した経験のある大阪大学外国語学部ビルマ語専攻の非常勤講師、原田正美さんから「不服従運動を続けられるかどうかが今後の鍵」「日本から支援する方法もある」と聞いたからだ。自分と同じ若い世代が抗議活動を先導していることにも刺激された。

 メンバーは6人だが、フェイスブックに投稿している活動報告を見て飛び入り参加する人も増えている。

 11日の活動に駆けつけた大阪市都島区の橘良子さん(49)は、職場のホテルでミャンマー出身の同僚と働いたことがある。「多くの市民が犠牲になるニュースに胸を痛めていたが、傍観しているだけではいけないと気づかされた」

 友だちと2人で参加した大阪府の通訳サンディさん(30)は、ミャンマー第二の都市マンダレー出身だ。「ミャンマー人だけの行動ではふり向いてもらうのに限界があり、日本の学生さんが動いてくれるのは頼もしい」と話す。

 宮地さんは「『自分のためではなく、次の世代のために行動する』と声をあげるミャンマーの同世代から、私たちが気づきをもらっている。今まで政治参加に後ろ向きだったけど、『微力でも無力な存在ではない』と自信を持てるようになった」と話す。

 現地からは「日本の学生、寄付者の皆さんにお礼を申し上げます」「国民の政府が再び戻るまで、闘い続けます」といったメッセージが次々に届いている。

 18日に京都・四条河原町で行った街頭活動には15人が参加し、在日ミャンマー人の若者グループが作ったミャンマー情勢を解説するパンフレットを配った。今後は東京の大学生らとも連携し、コロナの感染状況も踏まえながら活動する。緊急事態宣言が出ている間の街頭活動は休止する。

 寄付などの問い合わせは、ミャンマー(ビルマ)の民主化を支援する関西学生ネットワーク(snkdm-b@outlook.jpメールする)へ。(武田肇)