東芝買収劇、第2幕の予兆 株主との対立、見えない出口
小出大貴 内山修
東芝が、英国系投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズから買収の提案を受けて2週間。CVCが撤退に向かうことで、異例の買収劇は節目を迎える。ただ、提案の背景にあった、東芝と現在の大株主との対立はなお残る。今夏の定時株主総会に向け、緊張は続きそうだ。
東芝は、CVCからの初期提案を6日に受けた、と翌7日に公表した。提案は、株式の公開買い付け(TOB)によって東芝の非上場化をめざすもの。東芝の社長だった車谷暢昭氏にとって「助け舟」になる可能性があった。
車谷氏をトップとする東芝の経営陣はかねて、経営方針や企業統治などをめぐって既存の大株主と対立してきた。買収が成立すれば対立関係はなくなる。
しかし、社内外に以前からあった車谷氏への不信感は、車谷氏の「古巣」であるCVCからの買収提案でいっそう高まった。車谷氏が社長を含む東芝のすべての役職をやめたのが、およそ1週間後の14日だ。
買収提案も迷走した。
複数の関係者によると、CV…