米国の駐ロシア大使が一時帰国へ 双方の大使が不在に

ワシントン=高野遼
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 米国の在ロシア大使館は20日、サリバン駐ロ大使が週内に米国に一時帰国すると発表した。バイデン政権が15日に対ロ制裁を発表したことを受け、強く反発したロシア政府がサリバン氏に対して帰国するよう要求していた。

 ロシア外務省は16日、米外交官10人の追放などの報復措置を発表。サリバン氏にも帰国を求め、両国の緊張が高まっていた。すでにロシアの駐米大使は3月、バイデン米大統領がプーチン大統領について「人殺し」との見方を示したことを受けて召還されており、これで米ロの両大使がともに一時、任地を離れることになる。

 発表によると、サリバン氏は「バイデン政権の新たな同僚たちと、米ロ関係について直接ワシントンで協議することが重要だ。1年以上、家族にも会ってない」と帰国の理由を説明し、数週間後にはモスクワに戻るとした。米国務省のプライス報道官は20日、「大使は追放されたわけではない。帰国して協議をするのに適切な機会だということだ」と説明した。

 米ロ関係をめぐっては、米政府がサイバー攻撃米大統領選への介入を理由に対ロ制裁を発表。ロシアで収監されている反政権指導者であるアレクセイ・ナバリヌイ氏の処遇についても強い懸念を示すなど、両国関係は緊張感を増している。バイデン氏はプーチン氏に首脳会談を呼びかけているが、開催のメドは立っていない。(ワシントン=高野遼)