90歳超える国内最古級の電車、修繕へ 阪堺電気軌道

鈴木智之
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 大阪市と堺市間の路面電車を運行する阪堺電気軌道が、国内最古級の電車「モ161号」を修繕する。インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めたところ、2週間あまりで当初目標にしていた748万円に達した。引き続き6月25日まで募集した後、木製の扉を取り換えるなどの大規模修繕に入る。

 同社によると、モ161号は、同社に4両残る1928(昭和3)年製のモ161形のうちの1両だ。当時の路面電車としては最先端の制御装置を備え、連結運転した際に後ろの車両のモーターも動かすことができた。車体は鉄板と木材を組み合わせた新しい構造だった。メーカーにノウハウが少なかったものの、資金には余裕があり、頑丈に作られたため、現在まで運行できているという。

 2011年の阪堺線開通100周年に合わせ、内装のペンキをはがし、ニスを塗るなど、約1千万円かけて1965年当時の姿に復元。近年も正月の営業列車や、貸し切り列車などに使われてきた。

 しかし、窓枠周辺や乗降用扉など木製部分を中心に再び腐食。今後も継続して走らせられるよう、改めて大規模修繕をすることになった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績の悪化で、同社が費用を全額出すことは難しく、CFの活用を決めたという。

 支援金額に応じて、モ161形をデザインした非売品のマスクや、修繕後の9月18、19日に予定する「お披露目撮影会」への招待など、返礼品も用意している。向山敏成営業課長は「もうかっていないので、こういう電車も現役で必要。激動の昭和、平成を走り抜け、あと7年で100年。令和も活躍できるよう、絶大な応援をお願いします」と話す。

 CFは3月30日に開始し、4月14日には当初の目標金額に達した。超えた分は扉や外板以外の修繕に使うという。「レディーフォー」(https://readyfor.jp/projects/hankai161別ウインドウで開きます)で募っている。(鈴木智之)