米主催の気候変動サミット、習近平氏参加へ 協調姿勢か

北京=冨名腰隆
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 中国外務省は21日、米国が22日からオンラインで開催する気候変動サミットに、習近平(シーチンピン)国家主席が参加し、演説すると発表した。バイデン政権が台湾や新疆ウイグル自治区の問題で対中圧力を強めるなか、協力可能な分野である気候変動対策で米側に歩み寄り、米中関係の安定化を図る狙いがありそうだ。

 気候変動サミットを巡っては、米国のジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)が14日から上海を訪問し、中国に参加を要請していた。中国はトップの出席で米側の期待に応えるとともに、世界最大の温室効果ガス排出国として対策への積極姿勢を示す考えだ。

 習氏は20日、自国開催の「ボアオ・アジアフォーラム」のビデオ演説で「我々は健康で安全な未来を切り開いていかねばならない。気候変動対策の国際協力を推進する」と意欲を示していた。

 ただし、中国には米国が気候変動対策を主導していくことへの警戒もある。米国のトランプ前政権は2017年に地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」からの離脱を表明。バイデン政権が今年2月に復帰するまで、気候変動対策の「主役」は中国だった。習氏は昨年9月の国連総会温室効果ガスの排出量について「30年までに減少に転じさせ、60年までにゼロにする」との目標を示し、国際社会から高い評価を得た。

 温室効果ガスの排出制限を巡っては、先進国と発展途上国の間で目標設定に差があることについて、意見の対立もある。米国主催のサミットに習氏が参加することは、今後の国際ルールづくりで米側に主導権を渡さない意図も込められていると言えそうだ。(北京=冨名腰隆)