「政治判断の遅れ、重大」 経済学者が考える変異株対応

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聞き手・枝松佑樹
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 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が適用された大阪府東京都は、感染拡大に歯止めがかからず、大阪府は国に緊急事態宣言を要請、東京都も要請する見通しだ。変異株の影響も指摘されているが、なぜ重点措置では対応しきれなかったのか。経済学者でもある政府分科会メンバーの小林慶一郎・慶応大教授からはどう見えるのか、話を聞いた。

 ――重点措置の効果があがらなかった原因は何でしょう。

 国民が「コロナ疲れ」し、いままでほど厳しく行動を抑制できないことが一つ。さらに変異株の感染性が強いため、なかなかいままでの規制では抑えきれない。

 この二つの要因が重なっているんだろうと思います。

 ――飲食店の営業時間を短縮するだけでは、行動抑制につながらないでしょうか。

 飲食の場が主な感染源であることはまちがいないですが、時短だけでは抑え切れていません。

 ランチタイムやお茶の時間、夜の路上での飲み会、あるいはホームパーティーのような飲み会も問題だと思います。

 ――変異株への対応は何が問題ですか。

 昨年12月の段階で、イギリスでは変異株が相当流行し、感染性も通常より強く、しかも重症化しやすいと言われていました。

 いま変異株で大変だと言っていることは、すべて12月にはわかっていたわけです。

 なのに、そこでの対応策が鈍かった。感染症学者は「ちゃんとデータをとって分析したい」ということになりましたが、(政府が)感染症学者の判断を待ったのがまちがいだったと思います。

 この時点で全世界からの入国を禁止するなど水際対策を強化しておけば、変異株のまん延を止められなくても、遅らせることはできたと思います。

 また、ワクチン接種は国内での治験を必要とする方針をとったために、(米国などより)2カ月遅れています。

 いろいろな意見があると思いますが、もし国内での治験は不要ということにして、海外のデータだけで承認しておけば、2カ月早くワクチンが接種できました。

 (変異株への対応と)二重に早めていれば、変異株が日本でまん延するのを防ぐことができた可能性があるのではないでしょうか。

 ――政治判断はできたはずだ、と。

 政治判断の遅れが非常に重大な結果をもたらしていると思います。

 政治家がしっかり(コロナ対応は)危機管理なんだと考え、早めに判断することが求められています。

 ――分科会では変異株について「感染力が5割強いなら、対策も5割強くしないといけない」と指摘していますね。

 飲食店には時短要請だけでな…

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