アカデミー賞の差別どう語る 博物館オンラインで開館へ

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聞き手・伊藤恵里奈
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 米アカデミー賞の授賞式(現地時間25日、日本時間26日午前)直前の22日、米ロサンゼルスの「アカデミー映画博物館」がインターネット上で「オープン」します。「アカデミー100年越しの夢」といえる博物館です。 実際の開館はコロナ禍で9月に延期されましたが、それまで世界の映画ファンのために様々なオンラインイベントが開かれます。

 22日には、アカデミー賞の歴史を紹介するコンテンツが公開され、俳優のウーピー・ゴールドバーグさんらが登壇してジェンダー問題を語るイベント「オスカーの天井を破る」(Breaking the Oscars Ceiling)もオンラインで開催されます。

  アフリカ系の映画批評家で、同館の芸術・プログラム担当最高責任者のジャクリーン・スチュワートさんに、近年のアカデミー賞における取り組みや、ハリウッドにおける多様性などについて話をききました。

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――9月30日となったオープンを飾る企画展が、宮崎駿監督の北米初の大規模回顧展。日本でも大きく注目されています。

 宮崎監督の展覧会を開催できるのは、とても光栄です。世界中で最も人気で、最も「完成された」映画監督の1人ですから。彼の作品はとても哲学的であり実験的。監督のファンだけでなく、「アニメは子ども向け」と考えている人々が、アニメの可能性について開眼する展示にしたいです。宮崎監督の全ての作品が上映されます。

――ハリウッドの映画産業の輝かしい部分だけでなく、有色人種や女性に対する差別など「負の側面」も展示されるとききました。ここ近年、白人偏重を批判する「白すぎるオスカー(#OscarSoWhite)」や性暴力を告発した「#MeToo」といった運動の影響によるところが大きいのでは。

 もし10年前、いえ5年前に開館していたら、ハリウッドにおける差別や格差の問題を、ここまで深く掘り下げて展示するのが難しかったかもしれません。

 ここ数年、映画業界での人種やジェンダーへの差別、白人男性偏重について、早急に是正・改善を求める動きが広がっています。メディアや映画会社も、そうした声に耳を傾けるようになったのです。

――昨年、「風と共に去りぬ」(1939年)が議論になりました。黒人召使の描写が、「白人に献身的に仕えることを幸せと思い込む」というステレオタイプを助長すると指摘があったからです。あなたは、視聴者に当時の時代背景を説明し、「より公平公正で包括的な未来を築くために、まず歴史を認め、理解しなければいけない」と言いました。

 人種差別的な描写がある昔の映画を、その時代背景を理解したうえでみてもらうことは、差別の歴史やあるべき未来を考えるうえで不可欠です。

 当館の「アカデミー賞の歴史」のギャラリーでは、1927年から現在までの出来事を時系列に紹介します。(「風と共に去りぬ」での演技が評価され、黒人女性として初めて助演女優賞を得た)ハティ・マクダニエルが、授賞式で受けた差別についても展示しています。

 宮崎駿展の後には、企画展「…

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