「努力は報われる」には懐疑心 NBA本契約の渡辺雄太

松本麻美
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 米プロバスケットボールNBAラプターズと本契約を結んだ渡辺雄太が20日、オンラインでの合同取材に応じ、「つらい時があっても、努力を続ければ、何かしらの形でご褒美がもらえるということを証明できたかな」と、NBA3季目にしてようやくつかんだ成果をかみ締めた。

 香川・尽誠学園高を卒業後、18歳で渡米してから、「つらい時」は山ほどあった。今季は、開幕前は所属先がなかった。トライアウトの末、ぎりぎりつかんだ契約も育成枠的な意味合いの強いツーウェー契約だった。

 「正直逃げ出したくなる時もたくさんあった」が、報道陣を良い意味で“利用”することで自分を奮い立たせてきたと言う。

 「偉そうに『渡辺雄太は努力していますよ』と発言することによって、やるしかない状況を作っていた」

 ただ、渡辺自身は「努力が報われるというのは成功した人の言葉に過ぎない」とも感じている。

 なぜなら、努力していてもチーム事情などでカットされる選手がいる一方で、逆にそこそこの努力しかしていなくても、活躍できてしまう「才能の塊」をこれまで何度も見てきたからだ。「僕は節目ごとに『努力してよかった』と思える瞬間があり、運も良かったんだと思う」と振り返った。

 今回の契約は、来季の開幕前に行われるキャンプまでの契約金の一部も含まれているが、来季の開幕以降の居場所を確約するものではない。

 「長いキャリアを築くことが目標。姿勢を変えることなく、もっともっとアピールしていきたい」

 本契約を結んでも慢心はなかった。(松本麻美)