衆院任期満了まで半年 岩手県内の構図は

大西英正
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 衆院議員の任期満了まで21日であと半年になった。国会で解散の時期をめぐり駆け引きが続くなか、自民党岩手県連は全3区で現職3人の党本部への公認申請を決定。対する野党は候補者が決まっていない区もあり、選定を急いでいる。(大西英正)

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 「選挙は半年以内に必ずある。前もって準備を進める」。自民党岩手県連は盛岡市内で18日に開いた会合で現職3氏の擁立を決定。終了後の会見で、県連幹部はこう力を込めた。

 1区で擁立するのは高橋比奈子氏(63)。初めて立候補した2009年の衆院選では、達増拓也知事の衆院議員時代の地盤を引き継いでいた階猛氏(54)に大差で敗れたものの、その後は3期連続で比例による復活当選をしている。

 階氏は前々回まで民主党(当時)、前回は希望の党(同)と所属政党を変えながら、5期続けて小選挙区で当選。昨年7月には、立憲民主党(同)と国民民主党の合流協議のさなか、次の選挙では合流新党から立候補することに言及。9月の新立憲結成とともに入党し、公認候補に内定した。

 ただ、階氏は旧国民県連から自身の政治団体に移した資金を返金するよう、立憲民主党県連から提訴されており、対立状態だ。立憲県連の幹部は20日、朝日新聞の取材に対し「係争中の人は公認にならないんじゃないか」と現状では支援は難しいとの認識を示す。

 さらに、共産党県委員会は昨年8月、吉田恭子氏(40)の擁立を発表しており、政権与党への批判票が割れる恐れもある。

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 前回衆院選で県内の定数が4から3に減ったことに伴う区割り変更で、本州一広い選挙区になった2区。盛岡市とその周辺を除く県の北半分と沿岸地域が含まれる。

 元首相の父、善幸氏から地盤を引き継ぐ自民党の現職、鈴木俊一氏(68)は当選9回。五輪相などを務めた知名度が武器だ。

 「面積が広くて、回りきるだけで一苦労」(陣営幹部)と言うが、新たに選挙区に組み込まれた地域への浸透を図っている。

 一方、野党は統一候補の選定を急ぐ。

 県議らが集まる野党実務者会議は一昨年9月の知事選以降、十数回にわたり衆院選に向けた対応を話し合ってきたが、候補者の決定に至っていない。

 立憲民主党県連で選対本部長を務める木戸口英司・参院議員は20日の取材に、「1日でも早くという気持ちで努力している。まず党内をまとめ野党協議の場に持っていきたい」と語る。

 一昨年の参院選では野党が統一候補として元チェアスキー選手の横沢高徳氏を擁立。自民党から出た、3期18年の現職を破った。横沢氏の立候補表明は投開票の約4カ月前だった。

 野党幹部の一人はこのことを念頭に「不戦敗には絶対にしない」と意気込む。一方、沿岸選出の県議は「2区は広い。よほど有名じゃないと太刀打ちできないのでは」と話している。

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 「正式決定はまだだが、党内に反対の声など一つもない」。3区の現職、小沢一郎氏(78)について、立憲民主党岩手県連の佐々木順一幹事長は言い切る。次に当選すれば18選となる重鎮だ。

 挑むのは自民党の現職、藤原崇氏(37)で、過去3回はすべて比例復活してきた。一昨年には内閣府政務官を任されて実績を積み、県連会長も務める。任期満了まで半年となった21日、電話取材に対し「ものづくり、観光、物流など大きな可能性を秘めた県南地域の代表として発展を引っ張りたい」と決意を語った。

 小沢氏と初めて戦った12年に約3万票あった票差は、14年に約1万7千票まで縮まったが、17年には約3万3千票と再び開いた。

 県連関係者は「17年は区割り変更の影響もあった。大物相手に差を埋めるのは大変だが、面白い勝負になるんじゃないか」と期待を寄せる。

 公明党県本部は県内の小選挙区に候補を擁立しない方針で、小林正信・県本部代表は「自民と協力して与党の勝利をめざす。わが党は東北の比例2議席を取る」と述べた。