弘前大、がん診断治療法開発へ新講座 青森

林義則
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 青森県弘前市弘前大学京都市のバイオベンチャー企業「オルバイオ」は20日、がんの早期診断法や治療法の実用化をめざす新講座を大学院医学研究科に共同で開設したと発表した。がん細胞だけを光らせる新たな特許技術を活用。がん細胞が取り込む性質を持つ糖の一種を使い、高精度な診断法や副作用が少ない治療法の開発、普及に取り組む。

 開設された「分子輸送学講座」を率いる山田勝也特任教授の研究グループは、2010年にヒトなどの健康な細胞が栄養として利用できない糖の一種「L―グルコース」を、がん細胞が盛んに取り込むことを発見。この糖を光らせる「蛍光L―グルコース」を開発し、国内外で数々の関連特許を取得してきた。

 新講座ではこの研究を発展させ、蛍光L―グルコースをがんだけに取り込ませることで、PET検査に比べてがん細胞が少ない早期の段階で見つけ出せる高精度な診断法を実用化する。

 また、ラジオ波を照射すると熱を発する金属やがんを死滅させる薬剤をこの糖にくっつけ、がん細胞だけを壊すことができる副作用の少ない治療薬を開発する。

 会見した同社の飯嶋秀樹社長は「がん細胞を見分けてダメージを与える新しいがん征圧法を、がんに苦しむ患者と家族に届けたい」と意気込みを語った。山田特任教授は「どこの病院でも使える装置にして検証してもらい、臨床展開するための橋渡しをする。患者さんの治療に役立てることも大きな柱」と話した。(林義則)