霜で特産のナシ、記録的な被害

平賀拓史
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 全国3位の収穫量を誇る栃木県内のナシ産地。4月10、11日の2日間、気温が急激に下がり、各地で霜の被害が出た。損害は5億円以上に上る見通しで、特に芳賀、高根沢町の被害が深刻という。

 「3、4月が高温だった影響で、例年より早く開花した。そこに霜がやってきた」。21日、芳賀町上稲毛田のナシ農園で、JAはが野の佐藤昌弘・梨部会長が視察に訪れた福田富一知事に被害状況を説明した。この農園では経営面積102アールの4分の1で、花が枯れたり、実になる部分が黒く傷んだりしたという。県特産の「にっこり」や「あきづき」を栽培している。

 気象庁によると、那須烏山市では10日に零下1・8度、11日に零下0・7度を記録。佐藤部会長は「マイナス4度まで下がった農園もあったようだ」。

 佐藤部会長によると昨年は春先に低温が続き、管内産のナシの売り上げは前年より約2億円低い約5億円だった。今回の霜被害でも深刻な不作が予想されるという。「2年連続の被害で力が抜けた。残された花や実がどれだけ育つのかわからない」

 県農政部のまとめによると、宇都宮市・那須烏山市・さくら市・芳賀町・高根沢町・市貝町の6市町の農園で霜被害が発生した。被害額は現時点で約5億5千万円に上り、1990年以降4番目の規模という。被害は芳賀町で約3億円、高根沢町で約1億円。

 過去に霜被害が最も大きかったのは2013年の19億円。被害を受け県は、霜を防ぐファンの設置に対する助成金を拡充したが、現在でも設置は5割弱だ。

 県農政戦略推進室によると、ファンの設置費用は60万~90万円ほど。電気代も必要になるため、「費用面で二の足を踏む農家もいる」と説明する。農地が借地の場合、ファン設置に地権者の理解が得られないこともあるという。(平賀拓史)