お客来ない、でも開けざるを得ない 新潟市で時短始まる

新型コロナウイルス

宮坂知樹、高橋俊成
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、新潟市の飲食店などを対象とした時短営業の要請が21日、始まった。営業は午後9時まで(酒の提供は午後8時まで)で5月9日まで続く。昨年に続く2度目の時短要請を飲食店主や街の人はどう受け止めているのか。

 午後7時、新潟駅に近い飲食店街は行き交う人も少なく、営業を続ける店の多くもひっそりしていた。

 万代口にある居酒屋「生駒」は要請に応じ、午前3時までの営業を午後9時までに早める。店主の本間伶央(れお)さん(24)は「協力金は足りない」と肩を落とすが「まじめな県民性を考えるとお客さんは来ないと思う。協力金を受け取るほうがいい」と話す。

 居酒屋「めしと酒 善丸」店長の渡辺直人さん(35)は、「時短要請は店を成長させるチャンス」と前向きにとらえる。昨春の時短営業でアルバイトが一斉に休んだ。注文が少ない商品の提供をやめると人件費や原価の引き下げにつながった。「午後9時に店を閉めた後、メニューの開発や普段できない場所の掃除をする時間がとれる」

 要請に応じた店には売上高や規模に応じて1日あたり2万5千円~20万円が支給されるが、内容が決まっていないところもあり、戸惑いの声があがる。中央区・古町でスナックを営業するママ(45)は「協力金がいくらもらえるのかわからず、店は開かざるをえない」と不安な表情。通常より4時間早い午後4時に開店し、期間中も営業を続ける。協力金の支給事務を担う新潟市によると、売上高をどう算定するか、決まっていない部分があるという。

 開店したばかりの店も支給対象だが、売上高の試算方法は未定。協力金の詳細が固まらないのは、国の詳細が決まっていないからという。市は「近日中には示したい」としている。新潟市阿賀町居酒屋2店舗を運営する石川寛准(ひろのり)さん(38)は20日、新潟駅の近くにさらに二つの居酒屋を開店した。「時短要請が出るかもしれないと思っていたが、やきもきしているうちにオープン日が決まり、変えられなかった。県は支援の中身が決まってから時短要請してほしかった」とこぼした。

 休業を選ぶ店もある。古町で30年以上続くスナックがにぎわうのは午後9時以降。ママ(69)によると、コロナの感染が拡大したここ1年は、1日数人しか客が来ず、キープされたボトルが開かない日々を過ごしてきた。「お客さんが来ない日は(店内の)テレビを見て終わり、って感じ。みんなで頑張って耐えて、また笑って飲める日がきてくれたら」と苦笑いした。

 街の人からは時短要請を歓迎する声も聞かれた。60代の男性会社員は「飲食店は一時的につらいと思うけど、感染がさらに広がれば経済への影響はもっと大きくなる」。この春に大学に入学したばかりの女性(19)は「友達とごはんを食べたり、泊まりにいったり、あこがれていた大学生活ができていない。時短営業の効果で少しでも早く、大学生活を楽しみたい」と希望を口にした。一方、男子大学生(20)は「好きな時間に飲食店が開いていないと、コンビニしかなくなる」と肩を落とした。(宮坂知樹、高橋俊成)

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