文大統領の姿勢、大きく影響 元慰安婦の請求退けた背景

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聞き手・大部俊哉 聞き手・神谷毅
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 元慰安婦ら20人が日本政府に賠償を求めた訴訟の判決で、ソウル中央地裁は21日、原告の請求を却下した。判決では、国家には他国の裁判権が及ばないとする「主権免除」を認め、2015年末の日韓慰安婦合意も肯定的に評価した。この判決をどうみるのか。日韓の識者に聞いた。

外交当局へのメッセージ 早稲田大教授の萬歳寛之さん(国際法

 「主権免除」の原則が適用されると認定した今回の判決は、国際慣習法の観点に照らせば、世界の常識に極めて合致した判断といえる。1月の元慰安婦訴訟の判決では、主権免除という手続き上の判断と、基本的価値の侵害などいかなる逸脱も許されないとする「強行規範」違反という実体(中身)の判断を区別していないことに違和感があった。しかし、今回の判決ではそうした疑問は生じなかった。

 判決では、慰安婦合意による支援の一定の有効性にあえて言及した。そのうえで、被害者個人の利益より国際法を順守する公益が大きいとも述べた。主権免除を認めた時点で訴えは却下となるので、司法の原則論で言えば必ずしも判断が求められる部分ではないが、そこに裁判所のメッセージがうかがえる。

 「『良識』を持って判断したけれども、現行法の中では裁判所で解決できる範囲を超えている」「ただ、この判決によって被害者の権利救済の道が完全に閉ざされたわけではない」という立場をアピールし、外交当局の努力に期待するという姿勢だ。

後半では、梁起豪・韓国聖公会大教授が韓国側から、判決の影響や背景を読み解きます。

 これは、元慰安婦らの賠償請…

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