アラブにイスラエル人サッカー監督 敵国だったのに一変

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ドバイ=伊藤喜之
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 中東で長らく敵対してきたイスラエルアラブ首長国連邦(UAE)が昨年9月、トランプ米政権の仲介で歴史的な国交を結んでから半年余り。UAEの商都ドバイにはイスラエル産品が出回り、企業の進出も相次ぐ。コロナ禍にもかかわらず、予想を超えた速さで関係が深まっている。(ドバイ=伊藤喜之)

UAEで「平和のため」に

 3月中旬、ドバイが誇る高さ世界一のビル「ブルジュ・ハリファ」が間近にそびえるホテルで、一人の男性と待ち合わせた。

 ポロシャツにハーフパンツの軽装で現れたのはアブラム・グラント氏(66)。サッカーのイスラエル代表、ガーナ代表、英プレミアリーグチェルシー、ポーツマス、ウェストハムなどで監督を歴任したイスラエル人指導者だ。チェルシー時代はクラブ史上初めてサッカー欧州チャンピオンズリーグ決勝まで進出させたことで知られる。

 「最初はたまたまだった。コロナで入国規制が世界中で強まるなかで、昨年11月に比較的規制が緩やかだったドバイを訪れた時、ドバイスポーツ評議会の幹部に会って、支援を求められたんだ」

 同評議会は王族がトップを務めるドバイ首長国肝いりのスポーツ振興組織。ドバイのサッカーレベルを向上させるため、地元クラブの選手やスタッフへの包括的な指導プログラムの提供を依頼された。世界を渡り歩き、「常に挑戦できる場を求めていた」というグラント氏は快諾した。

 グラント氏はホロコースト(…

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