米政府系機関、北京五輪不参加を勧告 「弾圧続けば…」

ワシントン=高野遼
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 米政府系機関の国際宗教自由委員会は21日、国際的な宗教問題をめぐる年次報告書を発表し、新疆ウイグル自治区の問題などを理由に、今後も状況が変わらなければ、来年2月の北京冬季五輪に政府関係者が参加しないよう米政府に勧告した。

 報告書は、新疆ウイグル自治区においてウイグル族ら少数民族の拘束や強制労働などが報告されていることに触れ、中国政府が「宗教の中国化」を強めるなかで、宗教の自由が失われてきていると指摘した。

 その上で、問題に関わる中国政府関係者らへの制裁などに加え、「北京が2022年冬季五輪を開催することへの懸念を表明し、中国政府による宗教の自由への弾圧が続けば、米政府関係者は五輪に参加しない」ように米政府に勧告した。

 米国務省のプライス報道官は同日、「委員会は独立した機関で、報告書の結論はいかなる省庁などの承認を得たものではない」とコメントした。

 北京五輪をめぐっては、人権問題や対中感情の悪化からボイコットを求める声が米国や欧州で上がっている。今月上旬にはプライス氏が米国がボイコットを議論する可能性に言及したが、その後に国務省は「同盟国・友好国との間で共同ボイコットについて協議したことはないし、協議もしていない」と説明した。

 同省は3月に公表した人権報告書で、ウイグル族らに対する迫害を「ジェノサイドと人道に対する罪」と明記している。(ワシントン=高野遼)