永さんも愛したミルクワンタン 有楽町の「鳥藤」閉店へ

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砂押博雄
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 戦後から続く東京・有楽町のガード下で、名物の「ミルクワンタン」を出してきた居酒屋「鳥藤」が、23日夜、店を閉じる。後継者不在とコロナ禍が重なり、86歳のおかみが「ここが潮時」と72年の歴史に幕を下ろすことにした。

 カウンター8席と2人がけのテーブルが三つ、小上がりが二つのこの店に、メニュー表はない。あるのは「おまかせコース」のみ。常連客から「お母さん」と慕われるおかみの藤波須磨子さんが、小さなヤカンに入った日本酒を酌み交わす客たちと笑顔で会話しながら、手際よく料理を作っていく。

 スープから始まり、サラダ、煮物、焼き魚、納豆チャーハンなど10品ほどが運ばれた後、締めに登場するのが、ミルクワンタンだ。

 牛乳のスープで鳥モツを煮込み、ワンタンを入れる。作り方はシンプルだが、ホワイトシチューのような複雑な味わいが口に広がる。

 店の常連客だった永六輔さんも愛したこの料理。1949年に店を開いた藤波音吉さんが、大正時代に出征したシベリアで食べたスープの味をヒントに「発明」したという。戦後はスタミナがつく栄養満点のメニューとして、有楽町名物となっていった。

 音吉さんは56年に82歳で…

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