チャド大統領、戦闘視察中に死亡 暫定政権トップに息子

ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 アフリカ中部チャド軍は20日、イドリス・デビ大統領(68)が反政府勢力との戦闘の視察中に負傷して死亡し、息子のマハマト氏が率いる軍事評議会が政権を暫定的に引き継ぐと発表した。ロイター通信などが伝えた。反政府勢力はこの決定に対し「チャドは君主国ではない」などと反発。首都ンジャメナへ向け進軍を続けるとしている。

 報道によると、今月11日、隣国リビアを拠点とする反政府武装勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」がチャド北部に侵攻を始め、政府軍が応戦していた。デビ氏は先週末から軍の指揮を執るため現地を訪れていたが負傷し、19日に死亡した。チャドでは11日に大統領選が実施され、19日に公表された中間結果で、デビ氏が6選目を確実にしたばかりだった。暫定政権の発足にともない、国会は解散。軍は夜間外出禁止令を出し、国境を閉鎖した。デビ氏の国葬は23日に予定されているという。

 旧宗主国フランス大統領府は声明でデビ氏について「30年にわたって国家の安全や地域の安定に尽くした」と評価し、「フランスは勇気ある友人を失った」などと弔意を表明した。一方で、平和的で迅速な民政移管を求めた。

 デビ氏は1990年にクーデターで当時の政権を倒して以降、30年以上にわたって同国を率いてきた。マリやニジェールなどサハラ砂漠南縁のサヘル地域で活発化するイスラム過激派対策で重要な役割を果たしており、チャド国内に仏軍基地を受け入れている。デビ氏の死去により、同地域での過激派の台頭や国内の不安定化が懸念されている。(ヨハネスブルク=遠藤雄司