206人の笑顔、届けて旅立ち 患者から「私も撮って」

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上野創
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 がん患者206人の笑顔と言葉の詰まった本が生まれた。プロがメイクと撮影をし、ポスターにして貼り出す企画が元になった。始めたのは、自身が肺がんになったのを機に「がん患者のイメージを変えよう」と動き出した広告会社員の男性だった。

 本のタイトルは「自分らしく、を生きていく。がんとともに生きる206人の笑顔と想(おも)い」(ハースト婦人画報社)。ページをめくると、楽しそうな笑顔が次々に現れる。

 多くは1人のポートレートだが、カップルや家族で写る人もいる。「自分らしさ」を表現しようと、ウクレレを手にしたり、野球のユニホーム姿だったり。年代もさまざまで、子どももいる。写真の真ん中には「WITH CANCER」の文字があり、その手前には各自が選んだ単語が書かれている。

肺腺がん発覚→「ノウハウで社会変えたい」

 写真撮影は、「LAVENDER RING」(ラベンダーリング)というプロジェクトの中の企画「MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」で実施された。メイクとヘアセットは資生堂の社員、撮るのは同社フォトグラファーの金澤正人さん(53)がボランティアベースで担当した。「すべてのがん」を表すラベンダー色を背景に撮影し、大きく印刷して貼ると、会場の壁に笑顔が並んだ。

 発起人は電通社員の御園生(みそのう)泰明さん。2015年、進行した肺腺がんと分かった。理解ある同僚に恵まれたが、病への偏見に苦しむ人もいると知り、「広告屋のノウハウで社会を変えたい」と考えた。

 落ち込むとき、同じ肺腺がん

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