世界最高水準の人工光合成に成功、植物超え 豊田中央研

三浦惇平
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 トヨタ自動車グループの豊田中央研究所(愛知県長久手市)は21日、太陽光を活用して二酸化炭素(CO2)から有機物を生成する「人工光合成」の効率を世界最高水準に高めたと発表した。変換効率は植物を上回る水準といい、CO2を有効利用する手段として有望視する。将来的には、工場から排出されたCO2を回収し、人工光合成に活用できると見込んでいる。

 研究では、太陽光エネルギーを活用し、CO2と水から有機物の「ギ酸」を生成する。生成したギ酸は、水素をつくったり、発電の燃料にしたりして使うことを想定しているという。

 豊田中研は2011年に人工光合成の実証に成功し、その後も、装置の大型化と、より多くのギ酸を作り出すために変換効率の向上に取り組んできた。

 今回の研究では、11年に1センチ角の大きさだった装置を36センチ角に拡大。装置の構造を見直すことで、変換効率は17年の1・5%から、植物を上回る水準の7・2%まで高めた。同社によると、同じ大きさの人工光合成の装置では世界最高の水準だという。

 今後は実用化に向け、コスト削減や耐久性の向上に取り組む。豊田中研の志満津孝取締役は「2030年ごろには実用化に向けた技術基盤を確立したい」と話す。(三浦惇平)