「ランド」、貫かれているのは人間賛歌 中条省平さん

有料会員記事手塚治虫文化賞

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 手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の第25回受賞作が決まりました。社外選考委員を務めた学習院大学フランス語圏文化学科教授の中条省平さんの選評は次の通りです。

中条省平さん(学習院大学フランス語圏文化学科教授)

 山下和美の「ランド」が受賞して、本当にうれしいです。

 前近代日本を舞台にしたパラレルワールドものと思わせて、全く異なる設定にもちこむ最初のドンデン返しが見事ですが、その後、二つの世界を往還する波瀾(はらん)万丈の冒険マンガになり、そこで、人間の寿命と不老不死の願望、生と死、現世と来世、現実と虚構、神の存在と共同体のおきてといったテーマをめぐって変転を重ね、さらに、高度物質文明の未来への問いかけがなされるなど、怒濤(どとう)の展開です。

 登場人物は、主役だけでなく…

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