羽田管制官、着陸許可に気付かず 運輸安全委が報告書

磯部征紀
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 羽田空港で2019年6月、旅客機が着陸しようとしていた滑走路を別の旅客機が横切った重大インシデントについて、国の運輸安全委員会は22日、調査報告書を公表した。訓練中の管制官から着陸許可が出されたが、監督の管制官がそれに気付かず、旅客機への横断許可を促したことなどが原因と推定するとした。

 この事案は19年6月15日午後6時5分ごろに起きた。神戸発のスカイマーク機(乗客乗員186人)が滑走路に進入しようとしたところ、先に着陸していたカナダ・バンクーバー発の全日空機(同239人)が滑走路を横切ったというもの。スカイマーク機は当時、滑走路から約5・7キロの地点を飛び、全日空機とは約8・4キロ離れていた。

 報告書によると、訓練生がスカイマーク機の着陸許可を出したが、別の滑走路から国際線ターミナルに向かって地上を走行していた全日空機の存在に気づいていなかった。当時、監督の管制官はスカイマーク機を把握していたが、他席の管制官との間で別機体の地上移動に関する調整業務にあたっており、訓練生が着陸許可を出したことを認識できていなかった。

 また、訓練生は全日空機にいったん滑走路の手前で待機するよう指示したが、監督に促されて横断許可を出していた。訓練生は同機の横断中にスカイマーク機に着陸許可を出していたことを思い出し監督に伝えたという。

 報告書は「訓練生と監督の間で状況認識の共有を確実にする必要がある」と指摘。管制所は再発防止策として、監督に他席との調整業務が生じる場合は訓練を中断し、管制業務は監督が実施するよう改めた。(磯部征紀)