ランドの山下和美さん、大賞に「驚いて椅子から…」

手塚治虫文化賞

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 第25回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)のマンガ大賞に選ばれた「ランド」の作者山下和美さんが受賞の言葉を寄せた。

山下和美さん受賞の言葉

 今回の手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞のお知らせを聞いて、驚いて椅子から転げ落ちそうになりました。

 まだ動揺していますので、お手柔らかにお願いします。

 社会問題として提起する、というより、子供の頃から自分の中でモヤモヤッと存在していた世界をここ10年の世界の動きをヒントに形にしたのが「ランド」でした。

 こんなひどい世界かもしれないけど、それは後から誰かが決めることで、その中でも毎日を楽しく生きている人がいる。それは、今だ、描かなくちゃ、と思って描いたのではなくて自然と形作られていったような気がします。

 自分が手塚先生の亡くなられた年を超えて思ったのは、そんなことでした。「火の鳥」もそうだったんじゃないのかなぁ……。

 ひらめきは過去の自分の蓄積のカケラの中で生まれるんだと思います。

 これからも毎日を大切に。ありがとうございました!

 やました・かずみ 1980年「週刊マーガレット」でデビュー。主に少女マンガ誌を中心に活躍していたが、「天才 柳沢教授の生活」で「モーニング」に不定期連載を開始。以降、「不思議な少年」「ランド」など話題作を発表し、幅広い人気を得る。

「ランド」のあらすじ

 村人を縛るしきたり、あの世と呼ばれる山の向こう、四方に鎮座する神々の姿。悲劇を背負うアンと名付けられた少女が見つめる先には希望も絶望もある。この世をたゆたう不安の輪郭に色なき線を引いてゆく――。「天才 柳沢教授の生活」「不思議な少年」で人間を見つめ続ける山下和美の新境地。