「人生3回目のアトム」 短編賞の「ママ友」作者

手塚治虫文化賞

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 第25回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の短編賞に選ばれた「消えたママ友」「妻が口をきいてくれません」の作者野原広子さんが受賞の言葉を寄せた。

野原広子さん受賞の言葉

 幼かった頃から手塚先生の作品を何度も読み返しワクワクしていました。「鉄腕アトム」もその一つでした。

 大人になって、漫画家になるよりママになりたいという夢を選び、幸いにも2人の子どものママになることができました。子どもたちが小さかった頃、私はアトムのパジャマをよく着ていて、アトムの歌を子守歌として歌っていたのを今回の賞をいただいて思い出しました。

 そして、子育て後半に大きくなった娘に背中を押され、40歳を過ぎてコミックエッセーという形でデビューさせていただいて現在に至ります。

 その娘も数年前に成人して子育て卒業になって、さて、私これからどうしよう? と燃え尽きかけていたところに手塚治虫文化賞短編賞という形で、またアトムが現れました。

 人生3回目のアトムです。私の人生、アトムに励まされているな~って思いました。「描いてもいいんだよ。がんばれっ」って言ってもらえた気がします。ありがとうございました。

 のはら・ひろこ 第20回コミックエッセイプチ大賞を受賞し、「娘が学校に行きません」でデビュー。著書に「離婚してもいいですか?」シリーズ、「ママ友がこわい」(KADOKAWA)、「妻が口をきいてくれません」(集英社)など。現在「レタスクラブ」(KADOKAWA)で「赤い隣人」を連載中。

「消えたママ友」あらすじ

 優しい旦那さんとおしゅうとめさん、かわいいツバサ君に囲まれて幸せそうだったママ友の有紀ちゃん。そんな有紀ちゃんがある日突然姿を消した。仲良しだったはずなのに、何も知らなかった春香、ヨリコ、友子。しかし、実はみんなそれぞれ思い当たることがあった……。

「妻が口をきいてくれません」あらすじ

 妻、娘、息子と、ごく平和に暮らしていると思っていた夫。しかし、ある時から妻との会話がなくなる。家事、育児は普通にこなしているし、これまでと違うのは、最低限の言葉以外、妻から話しかけてこないことだけ。妻の沈黙の理由とは……。夫婦関係を掘り下げるコミック。