国産ワクチンない日本の現実 2億回分の代金はいくらに

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神里達博の「月刊安心新聞+」

 2月の本コラムでは、新型コロナ感染症の患者数が「バンジージャンプ」のように、上がったり下がったりの「振動」を起こす可能性について指摘した。そして残念ながら今月は、実際にそうなってしまった。

 事態が少し良くなると、すぐ対応を緩め、悪化すると遅れてブレーキを踏む。これを繰り返せば振動してしまうのは、直観的にも明らかだ。

 思い返してみれば、感染者数の山は「波」が来るたびに大きくなっている。今回は、いわゆる「変異株」の影響も無視できないだろうが、やはりこの国は事態をコントロールできていないと考えた方がよかろう。

 これまでも何度か言及している通り、欧米と比べるとなぜか日本のダメージはかなり小さいのだが、東アジアで比べれば、むしろ拙劣だ。

 たとえば台湾は今現在も、ほぼ完全にこの病気を抑え込んでいる。人口は日本の約5分の1で、社会経済的な条件や市民の価値観、自然的・地理的条件も似通っている。しかし、死者の総数は11人である。日本では1万人に迫ろうとしている。要するに人口比で約200倍、日本は状況が悪い。しかも台湾は、経済を犠牲にして健康を守ったのではない。政府を中心とした合理的で非常に素早い対応が幅広い信頼を獲得し、総合的に奏功しているのである。

 一方、被害が大きい主要国は持てる力を結集してワクチンを開発し、まさに今、その効果を見極めようという段階にある。目下、接種率の高い英国やイスラエルでは急速に新規感染者数が減ったが、同じく接種の多い米国では下げ止まり、チリではまだ効果がよく見えない。他の要因の影響も大きいのだろう。

 ただ少なくとも、それぞれの国情に応じて、政府は打てる手段は全て講じるというのが、諸外国の基本的な姿勢であろうと思う。

 ここで改めて気づかされるの…

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