基地化進む馬毛島のマゲシカ 「存続困難」と専門家懸念

会員記事

奥村智司
【動画】米軍訓練(FCLP)の移転が計画されている種子島から約10㌔の無人島、馬毛島(鹿児島県西之表市)。この島に絶滅のおそれがある固有亜種のマゲシカがすむ。
[PR]

 鹿児島県西之表市の無人島馬毛島で、米軍の訓練移転に伴う自衛隊基地整備計画が進めば、島にすむマゲシカが絶滅する可能性が高まるとの指摘が日本哺乳類学会から出ている。研究者による3月の現地調査では、過去の開発の影響でマゲシカが厳しい生息環境に置かれ続けている状況がわかり、専門家は十分な保全策をとるよう求めている。

拡大する写真・図版群れで走るマゲシカ=2021年3月10日、鹿児島県西之表市の馬毛島、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影

 マゲシカは環境省のレッドリストで、「馬毛島のニホンジカ」として「絶滅のおそれのある地域個体群」に分類されている。

 米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転と自衛隊基地整備のための防衛省の計画では、島に2本の滑走路や訓練施設などを造る「事業実施区域」(約718ヘクタール)は、島の約9割を占める。それでも、防衛省の担当者は昨年12月の住民説明会で、「飛行場などの区域と別にマゲシカが生息できる場所が設けられないか検討する」と説明した。

拡大する写真・図版馬毛島=2021年3月10日、鹿児島県西之表市、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影

 防衛省が2月に手続きを始めた島の環境影響評価(アセスメント)でも、調査の項目や手法を示す「方法書」でマゲシカを「重要な種」の一つに挙げ、影響の軽減や保全の策を検討するとしている。

 だが、防衛省の計画に専門家…

この記事は会員記事会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら