災害起きたらパチンコ店へ 避難用に駐車場を住民に開放

林国広
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 豪雨時にパチンコ店の駐車場を開放します――。佐賀県と県遊技業協同組合は、組合に加盟する54店舗の駐車場を、災害時に住民に開放する協定を結んだ。地震や風水害発生時などに、自家用車を店舗の立体駐車場などに退避させることができるという。

 組合には15市町の34業者が加盟。組合によると、全54店舗の駐車場には計約2万2千台分を収容でき、うち立体駐車場の2階以上は約5100台分ある。

 今回締結した協定では、災害発生時や発生が予想される場合などに、県は気象予報などから開放を要請する店舗を決める。組合を通じて打診を受けた店舗は、営業に支障のない範囲で開放できる駐車台数を決め、自治体に連絡。県などがホームページ上などで住民に知らせる。県外からの消防や自衛隊などが応急対策を行う場合の活動拠点としても利用する方針だ。

 武雄市で3人が犠牲になった2019年8月下旬の大雨では、県内で倒壊や浸水などの住宅被害が計6060棟に及んだ。昨年9月の台風10号が県内に接近した際には、組合に加盟する少なくとも10店舗が駐車場を住民に開放したという。

 協定締結は、組合が昨秋、社会貢献の一環として県に持ちかけた。組合はこれまで、加盟全店舗から同意書を得るなどで組合員の意思統一を図ってきた。

 13日に協定書に調印した山口祥義知事は「県が気象情報などをもとに、(組合と)一緒に対策をできるのは頼もしい」と話した。

 組合の新冨和紀理事長は「パチンコ業界の社会貢献として、地域住民が安心して暮らしていけるようにしていきたい」といい、将来的には水や食料などを店舗内に備蓄することも検討する考えを明らかにした。(林国広)