ミャンマー国軍、犠牲者の墓を破壊 抗議封じ込め狙う?

ミャンマーはいま

バンコク=福山亜希
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 クーデターで権力を握ったミャンマー国軍が、抵抗する市民への脅しをエスカレートさせている。デモに参加して亡くなった犠牲者の墓を破壊したり、拘束した人の傷だらけの顔写真を国営メディアでさらしたりしており、人々を萎縮させて抗議活動を封じ込める狙いがあるとみられている。

 現地メディアによると19日朝、兵士らがトラック3台で中部バゴーの墓地に乗りつけ、犠牲者の墓を壊した。バゴーでは9日だけで80人超が治安部隊の弾圧で殺害されるなど、多くの犠牲者が出ている。

 十数人の犠牲者が一緒に埋葬された墓には「春の革命の英雄」との言葉や、犠牲者の名前、年齢が記されていた。兵士たちは遺体を掘り起こして、その場に放置した。目撃者は「腐敗した遺体の嫌な臭いがした」「兵士たちは『この墓は違法だ』と言っていた」と語ったという。

 国軍は前日の18日に現地の慈善団体を集め、犠牲者たちを別々に埋葬するよう圧力をかけていた。抗議デモの象徴となり得るものを、徹底的に排除する姿勢を示したといえる。

 国軍系のテレビ局は18日、ヤンゴンで前日に起きた爆発事件に関与したとして、男女6人を逮捕したと発表した。その際、拘束者の顔写真を放映したが、顔が大きく腫れあがり、額からは血が流れるなど、激しい暴行の痕跡があった。

 SNSでは、逮捕前後の顔写真を並べ、暴行のすさまじさを強調する投稿が拡散している。逮捕された女性の母親は、現地メディアに「(拷問は)受け入れられない。(警察署で面会した時)顔はかなり腫れていて、ゆっくりとしか歩けなかった。彼女には生きていてほしい」と話した。

 現地の人権団体「政治犯支援協会」は19日付の声明で、「軍事政権は毎日のように拷問をしている。国際人権法などに違反した迫害だ」と非難した。同協会によると、2月1日のクーデター後、4月21日までに国軍側の弾圧で殺害された市民は739人。21日時点で拘束されている市民は3331人に上る。(バンコク=福山亜希)