10倍がゆは鉄則じゃない 離乳食、WHO推奨の方法は

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松本千聖
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 赤ちゃんの離乳食で悩んだ経験はありませんか。なかなか食べなくて焦ったり、進め方に戸惑ったり、様々な情報を前に混乱したり……。1児の母である記者も苦労しました。離乳食をうまく進めるコツはないものか、医師に取材すると、意外な事実が見えてきました。

 記者が長女に離乳食を与えていたのは約3年前。そもそも準備するのが負担だったうえに、スプーンを口に持って行っても押し出され、「育児書やネットで見た通りにならない」と不安になるばかりでした。「なんで食べないの?」と声を荒らげてしまったことや、一生懸命作った食事を捨てるときの徒労感は今でも思い出せます。

 2015年に厚生労働省が行った乳幼児栄養調査を見ると、親の7割超が離乳食について「困ったことがある」と回答しています。「離乳食を作るのが負担」「赤ちゃんが小食や偏食」「母乳やミルクをよく飲み、食事が進まない」――と内容は様々です。

 長野県佐久市にある佐久医療センターの小児科医、山本歩さんも、外来でこうした悩みに接しています。離乳食でつまずいたことで育てにくさを感じ、育児に悩むケースもあるといい、「最初の食事を親子で楽しく進められるような支援や情報提供はとても大切だと感じています」と話します。

 そんな思いから19年、地元の小児科医で手がける医療情報発信のプロジェクト「教えて!ドクター」を通じ、離乳食についてのリーフレットを作成、佐久医師会が運営するサイト(https://oshiete-dr.net/oshietedr/pdf/別ウインドウで開きます)やSNSで公開しました。

 体重が増えない、生後9カ月を過ぎても食事を受け入れないといった場合には小児科の受診を勧めていますが、「離乳食に画一的なやり方はなく、一人一人の発達に合わせて進めてほしい」と山本さんは言います。

 リーフレットに盛り込んだのが、「授乳を食事に置き換える」のではなく、「授乳だけでは足りなくなってきた栄養を食事で足す」という考え方です。

 世界保健機関(WHO)は「補完食」として提唱しています。日本でも、離乳食の指導のもとになる厚労省の「授乳・離乳の支援ガイド」に、19年の改定でこうした考え方が盛り込まれました。

「補完食」って何?

 では、「補完食」とは一体どんな食事なのか? 内科医で、「赤ちゃんのための補完食入門」を出版した相川晴さんに聞きました。

 ――育児サイトなどで、最近「補完食」という言葉を見かけます。離乳食とは違うのですか?

 WHOが推奨する赤ちゃんの食事で、日本の離乳食にあたります。母乳やミルクで育ってきた赤ちゃんが成長し、家族と同じ食事を取れるようにという目的は同じです。

 ただ、考え方が従来の離乳食

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