バイクの旅人に寝場所を 青森・横浜町に「野営場」

安田琢典
[PR]

 テントと寝袋を抱え、オートバイや自転車などで下北半島を旅する人たちにささやかな寝場所を提供しようと、青森県横浜町のドライブインが5月1日に「野営場」をオープンする。目の前に広がる陸奥湾にちなんで「621(むつわん)野営場」と名付けた。

 野営場は、ドライブイン「トラベルプラザ・サンシャイン」の裏手にある700平方メートルほどの遊休地に設ける。水平線に沈む夕日は美しく、天気が良ければ対岸の釜臥山も見渡せる。ドライブインから水を引いて簡単な炊事場をこしらえ、バーベキューができるドラム缶を二つ用意した。

 キャンプ場のようにバンガローや温浴設備はないので、旅行者は持参したテントを遊休地に張って過ごすことになるが、豪雨や強風の時はドライブインの軒下に身を寄せることができるほか、敷地内にはトイレやコンビニもある。

 ドライブインを経営する町観光協会長の杉山徹さん(69)はコロナ禍のあおりで客足が大幅に落ち、悩んでいた。売り上げの中心は大型バスで訪れる団体観光客向けの食事だが、150人が飲食できる大広間は昨年4月以降、テーブルといすを片付けたままだった。

 そんな折、ふと思い出した場面があった。

 「景色が素晴らしいので、ここにテントを張って一晩過ごしてもよいですか?」。ドライブイン前の国道は大型連休夏休みになると多くの旅行者が通過する。昨夏、県外からオートバイでやって来た旅行者にそう声を掛けられた。

 コロナ禍が気になる旅行者は宿泊施設に泊まることを遠慮しているのかもしれない。「だったら密になりにくい屋外で遠慮なく過ごしてもらおう」。遊休地を野営場にしようと決めた。

 1回あたりの利用料は500円と格安に設定する予定だ。ドライブインで取り扱う特産品のホタテや牛肉などをバーベキュー用に買って楽しんでもらえたら、と思う。

 毎年5月の第3土曜と日曜に開かれる町最大のイベント「菜の花フェスティバルinよこはま」は、2年連続で中止が決まった。だからこそ杉山さんは言う。「コロナ感染を考慮しつつ、攻めの観光に転じないと」(安田琢典)