停電原因引き起こすカラスの巣 撤去してもいたちごっこ

西村奈緒美
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 寒さが和らぎ、カラスの巣作りの季節がやってきた。カラスは木の上で巣を作るが、電柱の上を選ぶことも少なくない。材料となる針金などが電線に触れて停電を引き起こすことも。東北電力は毎年、約6千~7千個の巣を撤去しているが抜本的な対策はなく、いたちごっこが続いている。

 雨が降り続く17日午前8時半、新潟市中央区上大川前通の一帯で1766戸が停電した。原因は、電柱にあったカラスの巣。雨にぬれた木の枝が通電部に触れ、漏電を感知したことで電気が自動的に遮断された。一帯では信号機も止まり、全ての停電が解消したのは1時間15分後だった。翌18日も午後7時半~8時に近隣の東掘通の一帯で85戸が停電。近くの電柱にはカラスの巣があった。東北電力ネットワークの担当者は「カラスの営巣は今がピーク。3月に始まり、5月いっぱいまで続く」と話す。

 20日には同市西区での撤去作業が報道陣に公開され、高所作業車に乗った作業員が感電しない器具を手に、高さ13・5メートルの電柱の上にあった直径約30センチの巣を5分ほどで取り除いた。撤去後はカラスの飛来を防ぐ器具をつけたが、「翌年は隣の電柱が選ばれていることがあり、効果のほどはわからない」という。卵やひなが入っている場合は移設するか、枝や針金を刈り込んで巣を小さくする。

 東北電力によると、県内では毎年約300件の停電があり、そのうち、カラスの巣が原因で起こるのは10件前後。昭和の時代から続いているという。数十人でパトロールし、昨年撤去した巣の数は5837個に上った。

 カラスの生態に詳しい樋口広芳(ひろよし)・東京大学名誉教授(鳥類学)は「カラスは広く分布し、数も多いので対策には妙案がない」と話す。音や光、天敵であるタカを飛ばして追い払う方法も考えられるが次第に慣れ、戻ってくることがある。

 東北電力ネットワークは「事故防止のためにも巣を見つけたら連絡してほしい」と呼びかける。連絡先はコールセンター(0120・175・366)へ。平日、休日問わず24時間受け付けている。(西村奈緒美)