交通違反の反則金、振り込み可に 6月から秋田・島根で

編集委員・吉田伸八
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 交通違反をした人が納める反則金について、警察庁は、ATMやネットバンキングによる振り込みでも納付できるようにする方針を決めた。現在は金融機関の窓口に出向いて現金で納めなければならず、利便性を高める狙いがある。

 警察庁は関係の道路交通法施行令などの改正案について一般の意見を募っており、6月28日から秋田、島根両県警で先行的に実施する予定で、その後、他の地域への拡大を検討する。数年以内にクレジットカードやコンビニ払いなどの導入をめざすという。

 比較的軽微な交通違反の場合、反則切符(青切符)を受け、国庫に入る反則金を納めれば刑事処分を科されない制度がある。警察庁の集計では、車両による違反の取り締まり件数は2019年に約571万件あり、96%の約549万件を反則制度で処理。一時停止や最高速度、携帯電話使用、通行禁止、信号無視などの違反が多い。納付率は毎年98%前後に達し、納付額は19年度で約502億円に上る。

 違反者は取り締まりを受けた際、警察官から青切符とともに納付書を渡される。これを日銀の歳入代理店である金融機関に持参し、現金で納めるのが今の仕組みだ。納付期限は最初の仮納付で違反の翌日から7日以内と短く、金融機関の窓口が開いている平日の日中しか対応できないため、不便との声もあるという。

 新たに始まる方法では納付書は使わず、ATMやネットによる振り込みの手続きの際、名前とともに、納付書に記載されている切符番号を入力し、県警の専用口座へ送る。取り締まりの際に警察官が、振込先の口座番号や注意点を記した紙を違反者に渡すという。

 現在は納付手数料はかからないが、振り込みで生じる手数料は納付者に負担してもらう。

 今回の取り組みは、政府が進める行政手続きのデジタル化の一環。警察庁は今後、電子収納サービス「ペイジー」やクレジットカード、コンビニの窓口での納付を検討していく。こうした方法の導入には、納付記録と違反記録を照合するためのシステムなどを整備する必要があるという。

 反則金とは別に、駐車違反をした車の所有者に科す放置違反金では、一部の都府県でコンビニやペイジーによる納付ができるようになっている。(編集委員・吉田伸八

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〈交通反則通告制度〉比較的軽微な交通違反の場合、違反者は反則切符(青切符)を受けて反則金を納めれば刑事処分を科されない。告知を受けての仮納付、その後の通告を受けての本納付のいずれかで反則金を納めないと、警察が検察に事件送致し、刑事手続きにのる。反則金は普通車で、一時停止違反が7千円、15キロ以上20キロ未満の速度超過が1万2千円、携帯電話などの使用が1万8千円など。違反の取り締まり件数は年々減り、反則通告の件数も減少傾向が続く。納付された反則金は国の歳入となった上で、国から交通安全対策特別交付金として都道府県や市町村に交付され、信号機や道路標識、歩道橋などの安全施設の整備費用に充てられる。