東京への永別の旅、出発前日に断念 急に悪くなるとは…

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それぞれの最終楽章・最期の旅行(2)

内科医・旅行医 伊藤玲哉さん

 「旅に出たい」と願う患者さんの中には、残された時間がごく限られている人も多いのです。旅が決行できるかどうかは、まさに時間とのたたかい。あと1週間早く出発できていれば……と思うこともあるのが実情です。今回は、旅を計画したものの、寸前で断念せざるをえなかった例を紹介します。

 福井市に住む男性Yさん(79)は重い胆管がんです。2019年夏にがんが発見されましたが、手術が難しい部位で、手術は見送られました。副作用が大きいために抗がん剤治療も中断されました。がんによって胆汁が流れる胆管がふさがって何度も炎症を起こすため、入退院を繰り返していました。

 今年3月初め、Yさんが「自宅に帰りたい」と退院を強く希望、在宅診療を受けることになりました。ちょうどその頃、Yさんのお孫さんが、諦めていた旅をかなえる「たびかな」の存在を知り、私に連絡をくれました。「最後のチャンスかも知れないから、祖父を東京に連れて行きたいのです」

 聞けば、2年前にYさんの娘…

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