捨てる海藻でプラスチック、「脱炭素」へ トヨタ系研究

三浦惇平
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 海藻でプラスチックをつくる研究を、自動車部品大手のトヨタ紡織愛知県刈谷市)が進めている。石油に代わる原料として、捨てられてきた海藻を有効に活用する。プラスチックゴミによる海洋汚染の解決や、温室効果ガスの排出を防ぐ「脱炭素」につながるという。

 プラスチックは、石油資源の将来的な枯渇や、焼却処分時に二酸化炭素が発生することから、企業や大学が環境負荷を抑えるための方法を研究してきた。トヨタ紡織も、石油由来のプラスチックに代わり、車のドア部品に植物「ケナフ」の繊維を使っている。

 今回は、プラスチックの原料として、コンブやワカメを使うことに挑戦した。国内で収穫されるものの約7割が非食用で、捨てられてきたからだ。

 岩手大学の山田美和准教授(応用微生物学)と始めた共同研究で昨年、コンブやワカメを微生物にえさとして与えることで、微生物の体内でプラスチックの成分がつくられることを確認。この成分を抽出し、フィルムをつくることに成功した。

 このプラスチックは海に流れ出ても、最終的に水と二酸化炭素に「生分解」される性質を持つ。海藻は光合成二酸化炭素を吸収するため、原料として育てれば、温暖化対策になる。国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の「海の豊かさを守ろう」や「気候変動に具体的な対策を」につながる。

 現状では、プラスチックをつくるのに海藻が大量に必要なため、実用化には生産能力の向上が課題だ。研究担当者の河合盛進(そんじん)氏は、「廃棄されてきたものを使えることに意義がある。環境と便利さの両方を追求できるようにしたい」と話す。(三浦惇平)

トヨタ紡織〉 トヨタ自動車系部品大手で、シートやドア部品、フィルターをつくる。2020年3月期売上高は1兆3726億円。