福岡・5歳児餓死、児相はなぜ防げなかったのか 県検証

有料会員記事

山田佳奈、板倉大地
[PR]

 福岡県篠栗(ささぐり)町で昨年4月、碇翔士郎(いかりしょうじろう)ちゃん(当時5)が十分な食事を与えられず餓死した事件をめぐり、児童相談所の対応などを検証する県の有識者委員の初会合が23日、開かれた。虐待の予兆をつかみながら、なぜ事件を防げなかったのか。対応の問題点や有効な再発防止策をまとめられるかが焦点となる。

 会合は23日午後、県庁で開かれた。県内で重大な虐待事例が起きた際、児相や自治体の対応を分析する常設の「児童虐待事例等検証部会」(部会長・安部計彦西南学院大教授)で、翔士郎ちゃんの餓死事件を初めて取り上げた。

 安部氏に加えて弁護士や小児科医、心理学の教授ら計7人が委員を務める。篠栗事件のほか、今年2月に福岡県飯塚市在住の子ども3人の遺体が見つかり、父親がホテルから飛び降りて重傷を負った事件や、同3月に同県田川市で子ども3人とともに母親が自殺したとみられる事件も合わせて検証する。7月をめどに報告書をまとめ、再発防止策を県に提言する予定だ。

 初会合の冒頭、児相を所管する県福祉労働部の後藤和孝部長は「このようなことが起こる前に防ぐことができなかったのか。検証で原因を明らかにしていただき、児相が関わった事例で二度とこのようなことが起こらないように再発防止策を講じたい」と話した。

 「体重が減っている」「外に1人でいる」「様子を知りたい」――。篠栗町の餓死事件では、学校や近隣住民、翔士郎ちゃんの親族から虐待を疑わせる連絡が、福岡児童相談所や町などに寄せられていた。

見過ごされた「予兆」 最初の端緒は2019年9月だった。翔士郎ちゃんや兄2人が通っていた幼稚園、小学校から「夏休み明けの3人が痩せている」との連絡が町に入った。町や児相などで作る協議会で情報は共有されたが、見守り対象にとどまっていた。

 体重は虐待の疑いを判断する際の重要な指標の一つとされ、減っている場合は虐待の状況が中度~重度に当てはまる。国の指針でも子どもの成長曲線との比較で虐待の重さを判断するよう求めているが、児相や町の職員が翔士郎ちゃんの体重を測ることはなかった。

 ■届かなかった「声」…

この記事は有料会員記事です。残り1755文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る!】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら