売り上げ5倍の缶詰売り場 コロナの苦境、絞った知恵

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 困ったな、今後どうなるんだろう――。

 政府の緊急事態宣言が初めて出された昨年4月、小売店「日本百貨店」の創業者、鈴木正晴さん(46)は途方にくれていた。

 商社を辞め、「日本の良いモノを伝える」をテーマに「日本百貨店」を始めたのは2010年12月。各地のこだわりの逸品を集め、首都圏に8店舗を構える。突然の休業要請で、都内などの数店舗を2カ月間、休業せざるを得なくなった。

 中でも気になっていたのが、JR秋葉原駅の高架下にある「日本百貨店しょくひんかん」。扱うのは総菜やお菓子、酒や調味料などで、賞味期限のある商品も多い。

 どうしようか。

 休業初日の4月8日、店に足を運ぶと、誰もいないはずの店には7~8人のスタッフが顔をそろえていた。

「無駄にしたくない」スタッフの思いに打たれ

 「商品を無駄にしてしまっては、生産者に申し訳ない」

 そんな思いで、自主的に商品の賞味期限をチェックし、期限が切れそうな商品を休業していない店舗に移すなど、生かす方法を考えていたのだ。

 組織が大きくなり、日々の業務に追われるスタッフの姿に、創業当時の「思い」が薄れつつあるようで、もどかしさを感じていた。

 でも、みんな、「思い」はあるんだ。それを実現する環境を作るのが、自分の仕事ではないか。コロナ禍という逆境の今こそ、みんなが前向きになれるプロジェクトを考えるのが、今の自分の役割なのではないか――。

 とはいえ、先行きは厳しかった。

 休業期間中、社全体の売り上げは半分以下に落ち込んだ。

 少しでも生活の足しになればと、一人暮らしをしているスタッフらに通販サイトで注文した缶詰やレトルト食品を送った。

 そこにヒントがあった。

記事の後半には、鈴木さんのおすすめの缶詰や、店の人気ベスト5も。

 賞味期限が長い缶詰なら、売る側の管理が楽だ。それに昔に比べて格段においしくなっている。災害時の備蓄食になり、リサイクルでSDGs(持続可能な開発目標)にも取り組める。今の時流に合っている。

 そうだ、缶詰だ。専用の売り場を作ろう。どうせやるなら、「日本一」を目指そう。

■目指せ「日本一の缶詰売り場…

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