松江城で忍者イベント続々 「史実」武器に誘客めざす

清水優志
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 【島根】忍者と言えば伊賀(三重県)や甲賀(滋賀県)が有名だが、実は松江にもいた――。そんな「松江忍者」で観光客を呼び込もうと、松江観光協会が忍者にちなんだイベントを松江城周辺で次々と打ち出している。専門家による調査研究も進み、市も忍者にまつわる歴史を生かした観光に期待をかける。

 同協会は2018年から3年間、忍者研究の第一人者として知られる三重大学人文学部の山田雄司教授に、松江の忍者について調査を依頼した。

 その結果、松江城を築いた堀尾吉晴が浜松(静岡県)にいた頃、織田信長の伊賀攻め(天正伊賀の乱)から逃れた「伊賀者」を配下にし、松江に連れてきていたことが判明した。江戸時代初期の松江城下を描いた絵図には、城の南西の山裾に伊賀国出身者の名前が数多く記されており、普段は治安維持や情報収集を担っていたとみられる。

 同協会は、外国人にも人気が高い忍者がいたという史実を武器に、観光客を呼び込む作戦を検討。今月1日から、忍者になりきって松江城に仕掛けられた謎に挑むイベントをはじめた。

 「リアル・ニンジャ~潜入!松江城~」は、アニメ「秘密結社 鷹の爪」の制作を手がけるディー・エル・イー社(東京)が企画を担当。参加者は堀尾吉晴の「お抱え忍者」として松江城山公園や天守を巡り、次々に謎を解き明かしていく。

 詳しい知識がなくても展示物やパネルなどをヒントに気軽に挑めるが、暗号解読のような要素もあり、一筋縄には答えにたどり着けない。クリアの目安は2~3時間。期間は来年3月末までで、参加費は1千円(別途天守入場料が必要)。松江城二の丸のぶらっと松江観光案内所でチケットを購入する。

 また、今月6日からは暗号のような「忍者文字」のスタンプを集める「忍者文字御将印スタンプラリー」も、松江城や月山富田城(安来市)、米子城(鳥取県米子市)の3城の周辺施設で始めた。

 堀尾吉晴お抱えの忍者が3城の「御将印」を忍者文字に書き換えてしまったという設定。参加者は、ぶらっと松江観光案内所(松江市殿町)、塩見縄手・いっぷく処清松庵(同市北堀町)、安来市立歴史資料館(同市広瀬町町帳)、米子まちなか観光案内所(米子市灘町)の4カ所に設置されたスタンプを集め、文字を解読する。解答を応募すると、限定の「忍者印」がもらえる。スタンプ設置場所で購入できるスタンプ帳(1冊100円)は限定500冊で、無くなり次第終了する。

 いずれも新型コロナの感染状況によって今後休止の可能性はあるが、個人客を対象にした分散型のイベントで、密状態になりにくいという。

 松江観光協会は、今後も市と協力し忍者関連の催しを実施する予定だという。金山正樹事務局長は「忍者というテーマを軸に、国宝松江城の活用と観光振興を進めたい」。松江市観光文化課の柏木健志副主任は「イベントを通じて、松江藩に忍者がいたという史実を知ってもらえれば」と話す。

 両イベントの問い合わせは松江観光協会(0852・27・5843)。(清水優志)