広島再選挙「だまっとれん。」 与野党が深読みに便乗

大久保貴裕、東郷隆
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 25日投開票の参院広島選挙区の再選挙で、県選挙管理委員会のキャッチコピー「だまっとれん。」が話題だ。投票を呼びかける意図だったが、ネット上で思わぬ「深読み」が拡散。これに与野党が便乗し、それぞれ独自の解釈を加えて利用している。

 大型看板やポスター、チラシ、ネット動画。いずれも地元出身の女性アイドルが「だまっとれん。」と訴えるデザインだ。「若年層の投票率アップにつなげる」との狙いを踏まえ、大学准教授や大学院生、県職員ら7人の選定委員会が、広告会社4社の提案から選んだ。

 ただ、県選管の担当者は「インパクトが強すぎたのか、過去にない反響だ」と困惑する。ともに自民を離党した河井案里氏と夫の克行被告による買収事件に端を発した再選挙のため、ネット上では「金権政治」「選挙不正」など自民を批判するフレーズに絡めて「だまっとれん。」とする投稿が相次いだのだ。

 これに目を付けたのが、諸派新顔の宮口治子氏(45)だった。街頭演説で「だまっとれん」と大きく書かれたのぼりを掲げ、ツイッターでも「#だまっとれん」のハッシュタグで拡散を狙う。

 陣営幹部は投票率が勝敗を左右するカギとみており、「事件を想起させ、県民感情を刺激するキャッチコピーだ」と歓迎する。

 対する自民新顔の西田(にした)英範氏(39)も、だまっていなかった。21日夜の集会では「一昨年以降の広島県の政治は金権政治だった。だからこそ、私たち自身が言わなくてはならない」と切り出し、力を込めた。「だまっとれん!」。自民関係者は「野党の専売特許にはさせない。自民党内の改革を訴えるための象徴的な良い決めゼリフになる」と語る。

 18日現在の期日前投票は約8万人。前回参院選の同時期より、約4万3千人少ない。(大久保貴裕、東郷隆)