「不織布」推し、なぜ今改めて? 西村経済再生相

西村圭史
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 小さいことかもしれないけれど、不織布マスクを利用して――。政府は23日、3度目の緊急事態宣言を出すにあたり、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を改定した。そのなかに新たに「不織布マスクの効果を周知」との文言も加わった。なぜいま、改めて「不織布」なのか。

 「不織布推し」なのは、新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相だ。16日朝、政府の専門家会議であいさつし、「(性能が高いことを)スーパーコンピューター『富岳』を使って(効果を)検証もしてきている」として利用を訴えた。

 さらに同日夜の政府対策本部後の会見では、「小さなことかもしれないんですけど」と断りながら、「必ず隙間を空けない。布、ウレタンは不織布よりも飛沫(ひまつ)の防御の度合いが低い」と述べ、強いこだわりをにじませた。大阪府緊急事態宣言の要請を決めた20日の会見では、布、ウレタン、不織布の捕集性能を比較した理化学研究所などのデータまで提示した。

 だが、理研などのチームが富岳で調べて公表したのは5カ月前の昨年11月末。いま西村氏がこだわる理由は、急速に広がる変異株の猛威にあった。西村氏は23日の会見で、このタイミングで基本的対処方針に改めて書き込んだ理由を問われ、「ここにきて変異株の感染力が強いということで、あらためて専門家とも相談した」と力説した。

 一方で、政府は昨年、布マスクを2枚ずつ全戸配布している。以前は布マスクを使っていた西村氏は、「布マスクでも効果があるという評価もされている。布マスクが駄目だということではない」としたうえで、こう続けた。「もちろん、肌荒れがある方もいます。布マスクがいいという方、あるいはファッション性でウレタンマスクがいいという方もおられると思う。その場合は2枚重ねで1枚は不織布のマスクをしていただくことがいいのではないか」(西村圭史)