英下院、ウイグル族処遇は「ジェノサイド」 中国は反発

ロンドン=金成隆一
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 英国の議会下院は22日、中国で少数民族ウイグル族へのジェノサイド(集団殺害)が行われていると批判する動議を採択した。動議は英政府に行動を求めているが、法的な拘束力はない。中国側は反発している。

 動議には、下院の判断として「中国新疆ウイグル自治区ウイグル族や他の民族、宗教の少数派が人道に対する罪とジェノサイドに苦しんでいる」と明記。ジェノサイド条約などの義務を果たし、苦しみを終わらせるための行動をするよう英政府に求めている。

 与党保守党のガニ議員らが主導し、野党も含めて反対は出なかった。ガニ氏は「私は中国共産党の制裁対象になった5人の議員の1人だ。制裁は、私たちがウイグル族への虐待の証拠を明るみに出すのを阻止するため、私たちを黙らせ、怖がらせようとする試みだ」と演説した。

 一方、在英中国大使館は23日、ジェノサイドとの主張を「今世紀で最も馬鹿げたウソ」「中国人へのとんでもない侮辱」と退けた上で、「露骨な内政干渉に強く反対する」と反発した。

 英政府は3月、ウイグル族への迫害が続いているとして、米国や欧州連合(EU)、カナダとともに対中制裁を発動したが、ジェノサイド認定には慎重だ。「ジェノサイド」や「人道に対する罪」との認定は、管轄権を持つ国内外の裁判所が行うべきだとの立場を崩していない。(ロンドン=金成隆一)