ゲノム編集の「高GABAトマト」実る 苗を配布へ 

庄司直樹
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 ゲノム編集技術を用いて血圧上昇を抑える効果のある「GABA(ギャバ)」の含有量を高めたトマトが実り、茨城県つくば市筑波大で披露された。流通を目指す同大発のベンチャー企業は、苗づくりが順調に進んでいることから、家庭菜園向けに5月中旬から苗の配布を始める。

 このベンチャー企業は江面(えづら)浩教授が取締役を務めるサナテックシード(東京)。昨年12月、ゲノム編集食品の国の届け出制度で第1号になった。その後、苗の無料栽培モニターを募ったところ、5千人超の申し込みがあったという。苗の配布と並行して、夏ごろから家庭菜園向けに苗の販売に乗り出す。

 当初、一般の農家向けにGABAトマトの種子を販売するとしていたが方針を転換。不測の交雑が起きないよう、契約農家のみに苗を提供したうえで、果実を買い取り、ピューレなどの加工食品として販売することにしたという。

 今回のトマトは、狙った遺伝子を働かなくしてつくった。遺伝子突然変異を利用する伝統的な品種改良と変わらないため、国の安全性審査はいらない。江面教授は「消費者の不安の声には、しっかりと説明を続けていきたい」と話した。(庄司直樹)