第4回「漏れたら捜査やめる」 日産と検察、水面下で会長包囲
大鹿靖明
日産クーデターの真相:4
日産自動車の専務執行役員、川口均は2018年6月13日、日産監査役の今津英敏と、検事出身の弁護士、大木丈史を引き合わせた。川口はそのときまでに何度か大木にゴーンの不正について相談していた。そのうえで今津を連れて行ったのだ。
今津は、調べてきたゴーンの不正の数々を大木に語った。ジーア社を使った海外の不動産取得や家族の航空券、会社経費の流用……。自らがわざわざオランダまで調べに行ったことも。
監査役といえば、日産でも他の日本企業と同じく功成り名を遂げた人の処遇ポストとされてきたが、法的には取締役を監査し違法行為を差し止める権限をもつ。今津は、この、めったに使われない伝家の宝刀を抜いた。監査役として「社内調査のやり方を教えてほしい」と大木に依頼した。
ヤメ検が口にした「背任」
大木が驚いて「これは、社内の特定の勢力が何かをたくらんでやっていることですか」と聞くと、「そんなことはありません」と今津。
大木が「これらのことは事実…
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