(魂の中小企業)利益は惜しみなく社員へ配ります

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 20年ほど昔のことですが、わたくし、大企業の春闘取材をかじりました。

 「賃上げは抑える分、利益は賞与(ボーナス)で社員へ還元する」

 そういう社長が多かったけれど、けっきょく、多くの場合、社員にじゅうぶんな還元はなされませんでした。先行きが見通せない、が主な理由でした。

 大阪市の御堂筋から少し外れたところに、「エス・ビルド」というオフィスの内装工事会社があります。創業は2003年。従業員およそ70人で、年商は24億円ほどです。

 創業した社長は、澤口貴一(たかいち)さん、43歳。

 新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた19年度。売り上げ絶好調、計画以上の多くの利益が出ました。澤口さんは惜しみなく夏のボーナスに総額3500万円を上乗せし、社員に配りました。100万円以上増えた人も出ました。

 澤口さんは言います。

 「コロナで先行きは不安です。でも、社員の頑張りには、トコトン報います。会社にためておくとの選択肢は、ありません」

 会社をやめたいと言ってきた社員からじっくり話を聞き、「キミが必要だ」と思いとどまらせること、たびたびです。

 4年前、韓国からの留学生で…

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