「猫の公園」で相次ぐ不審死、千葉・袖ケ浦公園

伊藤繭莉、多田晃子
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 飼い主がいない「地域猫」がすみ着く袖ケ浦公園(千葉県袖ケ浦市)で、猫の不審死が相次いでいる。関係者によると、先月から少なくとも6匹の不審死が確認されている。県警は動物愛護法違反容疑で捜査するとともに、パトロールを強化して警戒を強めている。

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 東京湾アクアラインや館山道のインターからほど近くにある袖ケ浦公園。今月21日午後7時過ぎ、えさやりや里親探しなどをするNPO法人「袖猫パトロール隊」のメンバーが名前を呼ぶと、暗闇から数匹の猫が現れ、えさを食べ始めた。

 公園には十数年前から捨て猫が増え始めて繁殖し、いまでは「猫の公園」として知られる。同隊によると、現在80匹ほどの猫がすみ着いているという。

 そんな公園で先月、異変が起きた。

 「猫が不審な死に方をしている。何匹かいるようだ」。同月22日夕に1本の110番通報が入った。木更津署員が駆けつけると、公園内で2匹の猫が死んでいるのが見つかった。2匹とも目立った外傷はなかったが、嘔吐(おうと)しており、不審死とみられた。

 署は、動物愛護法違反容疑で捜査を開始。所見などから毒殺の可能性を視野に、鑑定による死因の特定をはじめ、不審者情報の聞き込みなどを進めている。

 不審死は、少し前にも確認されていた。同隊の大島三郎代表は同月19日、公園の土手で1匹の猫が、よだれを垂らした状態で横たわっているのを発見した。前日、えさ場に姿を見せなかった猫だった。「おかしいなという気持ちと、死んでいて欲しくないという気持ちが半々だった」。おそるおそる近づいて触れると、体は硬直し、息絶えていた。

 3日後の22日には、来園者から「猫が死んでいる」との連絡を受け、公園内で硬直状態の猫の死骸が見つかった。メンバーが周囲を見回ると、さらに2匹の死骸が見つかり、いずれもまだ体は温かく、死後間もない状態だった。この日は、瀕死(ひんし)状態の猫も発見された。血便があり、すぐにメンバーが動物病院に運んだが、それから2日後に死んだ。

 大島代表によると、公園内では同月19~24日に計6匹の不審死が確認されたほか、2匹の行方が分からなくなっているといい、「何者かが毒をなめさせたとすれば、卑劣を通り越している。猫を捨てることもそうだが、全ては人間が起こした問題」と憤る。

 相次ぐ不審死を受け、市は公園の維持管理を依頼している地元団体に対し、置きえさを見つけたらすぐに回収することや、不審者などを発見すれば警察に通報することなどを要請した。

 一方、同隊は公園内に注意喚起や情報提供を呼びかける看板を設置した。さらに、メンバーが毎夕、巡回などをしている。そうした効果もあってか、先月25日以降、新たな被害は確認されていないという。

 動物虐待は、重大事件の予兆と見る向きもある。署幹部は「動物の虐待や不審死が発生すると、地域住民の不安感は増す。治安維持の観点からも、パトロールなどでの警戒や必要な捜査を進めていく」と話す。(伊藤繭莉、多田晃子)